Case Study

活用事例

活用事例[詳細]

CASE-9 GAP管理、畑作管理、JAの営農管理を
千葉県/JA市原市姉崎蔬菜組合

GAP管理、細作管理、JAの営農管理を

~姉崎だいこんの団体GAP認証と、JAの嘗農管遷でZ-GISの機能を生かす~

千葉県市原市は、東京近郊でありながら自然豊かな地域です。市原市の姉崎地区で栽培され、「JA市原市姉崎集出荷場」で洗浄・選別・出荷されただいこんを「姉崎だいこん」と呼び、「JA市原市姉崎蔬菜組合」が生産を担っています。組合を担当するJA市原市の地引さんは、組合員のモチベーションを維持するため、組合としてGAPの団体認証を取得しました。GAPの管理を行うため、いちはやくZ-GISを導入し圃場管理に努めています。地引さんにGAPでの活用や野菜作ならではの使用方法、JA市原市のバラエティ豊かな農産物管理など、Z-GISの活用方法についてうかがいました。

共同施設の利用でダイコンの品質が向上

市原市は千葉県のほぼ中心に位置し、東京湾から房総丘陵にかけて南北に長い形をしています。のどかな田園風景や渓谷など自然に恵まれており、温暖な気候を活かして、米やダイコン(3位)、イチジク(7位)、梨(l位)、スイカ(2位)、メロンなど、多彩な農産物を生産しています。(注:カッコ内は千葉県全体の農業産出額の全国順位)
「姉崎だいこん」とは「JA市原市姉崎集出荷場」で洗浄・選別・出荷されたダイコンをいいます。生産者は、毎朝泥付きのダイコンを集出荷場に持ち込み、共同洗浄選別施設で洗浄や梱包を行います。作業時間の大半を占めていた洗浄や選別などを、共同施設での一括作業としたことにより、品質が向上した上、組合員も栽培に専念できるょうになりました。こうした取り組みが評価され、同組合は2013年に日本農業賞(集団組織の部)の特別賞に選ばれました。

  • 洗浄選別施設にトラック満載のダイコンが到着

  • JA市原市姉崎集出荷場とダイコン畑

JGAPの取得で組合員の意識が変わる

現在「JA市原市姉崎蔬菜組合」は、約300筆の圃場を組合員15名で筐理し、年閻150万ケースを生産しています。秋冬ダイコンと春ダイコンを生産しているため出荷時期が10月~6月と長く、100%JAを通じて出荷・販売しているところも特徴です。
2019年、JA市原市の地引さんは、生産者の意識向上と安全安心な商品を提供するために、組合のJGAP団体認証を目指すことにしました。畑作の団体認証はまれで苦労も多くありましたが、翌年1月に無事認証を受けました。組合員の意識が高く、GAPの管理を個々の農家が行っています。農家の倉庫には機材や資材のマニュアルに沿った表示が張られ適切に管理されています。
また、外国人を含む労働力支援も導入しており、ベトナム人の研修生が、読めるようベトナム語の表記をするなど、適正な管理に努めています。地引さんは「GAPを導入することで農家の意識が変わり、倉庫などの整理整頓が普適にできるようになった。記録をつける、書くという作業は苦手だが、若手の農家を中心に意識が変わりつつある」と手応えを感じています。

  • JA市原市の地引さん。Z-GIS管理はPCが中心

  • 洗浄選別施設で箱詰めされ出荷を待つ大根

GAP管理から組合の作業管理までZ-GISが大活躍

地引さんはGAP管理の一部にZ-GISを導入しています。全農から入手した筆ポリコンを使用し、Z-GISに反映したデータで圃場管理をしています。秋冬作、春作で圃場が移動するため、耕作圃場一覧表を組合員に提出してもらい、Z-GISに入力管理します。Z-GISを使えば、所有者と生産面積、品種、播種日が、圃場の地図と一緒に表示されるため、管理がしやすくなったそうです。
組合では、品種ことに播種日を決めているので、出荷日を予測し収穫タイミングをそろえることができます。集出荷場でスムーズな作業を行うため、入荷管理にもZ-GISを活用しています。今後、地引さんは投入した肥料の情報や生育予測などにもZ-GISを活用していきたいと考えています。
組合では、ダイコン収穫後に、スイカやメロン、馬鈴薯などを作付けし、合間に緑肥植物を加えたローテーション栽培を導入しています。圃場では常に栽培が行われており、農家の作業も続きます。そんな忙しい農家を補助するため、組合ではZ-GISの1キロメッシュ気象情報による積算気温を活用し、スイカの出荷予想にも取り組んでいます。

  • Z-GISで組合員15人分の約300圃場を管理

  • 秋冬ダイコンのトンネル栽培

生産者やJA職員がZ-GISを使いこなせるように

組合の生産者は40~50 代と若いことから、GAPは比較的スムーズに導入できました。これを機にJA市原市では、Z-GISをJAの職員だけでなく生産者にも使いこなしてほしいと考えています。生産者はGAPにより整理整頓ができるようになりましたが、記録をするという作業には苦労しています。今後は、生産者にもZ-GISを普及させ、スマートフォンで簡単に記録ができるよう進めていく予定です。
また、JA市原市の現場担当職員にもZ-GISを浸透させ、現在、地引さんひとりで行っている入力作業を分散できるよう進めていく予定です。Z-GISで記録することで、たとえ担当者が代わってもデータが残り、農家の営農支援に役立てることができるよう、業務の承継を目指します。
さらに、JA市原市の特産物である梨の管理についてもZ-GISを活用したいと考えています。管内の梨の生産面積は減っており、栽培品種の構成も変わっています。Z-GISを活用し、畑に何が植えられているのかを把握し、生産筐理に役立てたいと考えています。
JA市原市と「JA市原市姉崎蔬菜組合」は、今後もZ-GISを活用し、幅広い営農支援を行っていく予定です。

  • 圃場に立つ集出荷場の案内

インタビュー動画